ワイキューブ|特集企画・レポート|【特別対談】 村尾隆介 × 安田佳生

【特別対談】 村尾隆介 × 安田佳生



※この対談の後に行われた、共同イベント当日の模様はコチラをクリック

 

安田
はじめまして。ワイキューブの安田です。
村尾
スターブランドの村尾です。
今日はよろしくお願いします。
安田
今度、うちのお客様限定で、僕と村尾さんとの共同イベント
を予定してまして。今日はその打ち合わせなんですが。
村尾
景気が急激に冷え込んでいる今だからこそ、中小企業が
ブランド作りに目覚める良い機会なんでしょうね。
安田
村尾さんは、新卒でホンダに入社されて、マーケティングや
ブランディングの仕事をされていたのですか?
村尾
そうです。それから、営業もやってました。
ホンダって、そもそもマーケティング部ってないんです。
全員マーケッターであって当たり前という考え方で、
営業とマーケティングを常に兼ねるんです。
で、その中でも僕は、いわゆるアラブ諸国の担当でした。
イスラム教に詳しかったわけでもないんですけど。
あっちって、基本的にお酒を飲まないじゃないですか。
僕もお酒を飲まないので、「こいつはイスラム諸国の担当
いけそう」と思われたみたいです(笑)
安田
お酒全く飲まないんですか。タバコは吸います?
村尾
いや、タバコも吸わないんですよ。
安田
そうなんですかー。
でも、人生のいらない趣味とか、
不健康な趣味とか、1つくらいないと、
お付き合いしにくいじゃないですか(笑)
村尾
アハハ(笑)
安田
ちなみにスターブランドさんは、会社作って何年になるん
ですか?
村尾
まだ4年です。
ホンダを辞めて留学中に、サプリメントの輸入ビジネスを
始めて。アメリカから輸入して大手流通、雑貨店、ドラッグ
ストアさんなどに納めていたんですね。この会社が、わりと
上手くいってしまったんです。ただ、ふとした時に、
「サプリメント屋になりたかったわけじゃないな」と(笑)
それで、会社はパートナーとしてやっていた方に引き受け
て頂いて。起業で学んだ事がすごく多かったので、経営者
の皆さんにお伝えしたいと考えていました。その頃、
『戦わない経営(かんき出版)』の著者の浜口達
出会って一緒に始めたんです。

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安田
スターブランドさんのサービスはどんな内容なんですか?
村尾
「小さな会社のブランド戦略キット」という、大人の
公文式のようなものと、会員制コンサルティングです。
経営者の方がそこに書かれた設問に回答していくと、
ブランド戦略の骨子ができるというものなんです。
ただ、そこには当然、具体的なアイデアとかありませんから。
その後、弊社のスタッフが、アイデアを少しづつ形にしていく
という、地道な作業をしています。
おそらく、ワイキューブさんのお客様よりも規模の小さな
お客様が大半です。もしくは独立したてで売上ゼロという所
から一緒にやっていく場合もあります。
安田
お金がなくて、途中でやめてしまう会社ってないですか。
村尾
お金がなくなるというより、ビジネスを考えることだけ
が面白くなってしまって、こっちのアイデアあっちの
アイデアとフラフラして、結局やめてしまう方は稀に
ですが、いらっしゃいます。
なるべくそうならないように、本業とは関係ない所でも、
なるべくお手伝いをするようにしてるんですけどね。
昨日もビッグサイトの展示会にヘルプで行ってました。
安田
それは、大変ですね。
村尾
会社のこと以外にも、子供さんの進学問題とか。
そういう相談も、ありますしね(笑)

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安田
今回、村尾さんの本を読ませて頂いたんですけど、
たぶんスターブランドさんとワイキューブは目的が一緒
だと思うんですね。僕らは中小企業のブランド作りをお
手伝いするプロジェクトパートナーでありたいと思って
いて「ぐっとくる会社を、もっと。」というスローガンに
それを託しているんですけど。簡単に言うとファン作り
です。顧客にも社員にも、ファンになってもらえるような
事業、組織風土、経営スタイルにしていきましょうと
いうことです。
村尾
そうですね。本当に同じ思いなんだと思います。
スターブランドで言う「社会モテする会社」
イメージがそれにあたりますね。
安田
求心力のある会社、人をひきつける会社が増えていく
のは日本にとって、すごくいい事だと思ってるんですよ。
そうしたらきっと、変わると思うんですよ、日本も。
経営者だけじゃなく、社員同士ひきつけあう会社。
ボトムアップ型組織って僕はよく言ってますけど。
まだまだそういう会社って、少ないじゃないですか。
社員が主体的に考えて働いていて、
お客さんの方から集まってきて、
働きたい人も集まってきて、
そういう会社に僕らはなりたいし、増やしていきたい。
お客さんと一緒に、そうなっていきたいんですよね。

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村尾
そうですね。
商品や会社に限らず経営者も社員も、ブランドの一部として
振る舞いとか、マナーも含めて伝えていきたいですね。
そういったことを、安田さんは早くから意識していたんですか?
安田
いやいや、全然(笑)
もともと、中小企業向けの新卒採用支援から始まってるんで、
無名の会社のブランディングを仕事としてやってきたん
ですよね。中小企業って、学生から知られていないのが普通
ですしね。当然、人気だってないし。
だからと言って、採用の時だけ変にカッコつけても、結局は
辞めちゃうし。もう一体、どうしたらええねんと(笑)
村尾
なるほど。そういう意味では、
採用もブランディングの仕事ですよね。
会社のファンを作るっていうことですか。
安田
そうですね。もう散々苦労して、やっと人が採れるんですよ。
で、せっかく採った社員ですしね。気持ちよく働いてもらう
ために、まず経営者が意識を変えましょうよと。
それがワイキューブがずっと言ってきたメッセージなんです。
人を採るだけじゃダメですよと。 当たり前なんですけどね。
村尾
スターブランドが掲げているテーマに
「むやみに拡大しない勇気」というのがあるんです。
もちろん僕らも、ある程度のサイズは必要だと思っています
けど、むやみに組織を大きくしてしまうと、時代の変化に
対応できなくなってしまうので。
安田
そうですね
会社や資本の大きさで、効率や収益性を競う時代は終わって
ますよね。大きくすることに、全て反対とは思っていませんが、
大きくすることを目的にするのは、ちょっと違うと思いますね。
意味のあるミッションがあって、そのミッションを達成する
にはどの程度の規模が必要なのか。そこを追求すればいい。
村尾
売れる商品やサービスのスパンが、極端に短いですしね。
安田
今、売れているから人を増やしていこうと思っても、それが
半年後に同じように売れるかはわからないですしね。
村尾
だから、逆に、自分からブームを作らないことも大事ですね。
自らブームをつくると、自分の首を絞めることもあるので。
安田さんも以前から仰ってますけど、我々はアメリカ型よりも、
ヨーロッパ型のブランディングを参考にしています。
あっちには、小さな会社だけど、何代にもわたって同じ町で、
同じお客さんから、長く愛されている会社が沢山あるので、
そういう生き方もいいじゃないかと。
そんな提案をしていきたいんです。

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安田
ブランド作りで一番大事なものって、結局、何なんですかね。
村尾
僕は、究極的にはマナーだと思うんですね。広義の意味で。
ここで言うマナーっていうのは、その人が持つ「雰囲気」です。
単純にポジティブマインドっていうような浅いものではなくて。
一緒にいると、なんか楽しそうだなと思えるような雰囲気って、
服装とか、持ち物よりも、遥かに大切だと思いますね。
ブランディングは「ブランド物を持つ」ということではなくて。
姿勢一つ、話し方一つ、身振り手振りで印象が作られる。
それが結局、会社が持っている空気にもつながりますね。
いわば「会社のマナー」です。これが今、すごく大切です。
安田
やっぱり、若い人が多いんですか?ブランドを意識される方って。
村尾
そうですね。
先日、大学3年生向けに「自分ブランド」の講演をしたんです
けど、本当に沢山来てましたね。部屋満杯で。
「自分クレド」といって、自分専用のクレドをつくってみよう
というセミナーだったんですけど。
今は、大学生の方が経営者よりクレドのことを知ってます。
あ、あとは女性の経営者が多いですね。
安田
女性の方が、感性が鋭いからなんでしょうね。
村尾
これは間違いなく、そうですね。
アンテナの高い経営者が、今、色々と知りたがってるんです。
営業もしていないのに、場所も悪いのに、お客さんが来る。
給料高くないし、仕事もハードなのに、社員がイキイキしてる。
大手じゃないのに、働きたい人が応募して来る。辞めにくい。

そういう会社って一体、どういう経営をしてるんだろう?って。
安田
村尾さんの「誰かに話したくなる小さな会社」の中で、
小さい会社のブランディングの事例があるじゃないですか。
ああいう話ってすごい具体的で、ピンときますよね。
村尾
ありがとうございます。
あれ、事例を見つけてくるために、わざわざイタリアとか
スペインに取材に行って。現地を車で移動したんですよ。
本ではさらっと書いてありますけどね(笑)
実際、本に出てくる生ハム屋のおやじさんとか、本当に
素敵で。彼らは、会社の経営をして行く上で、すごく刺激に
なりますよ。2009年は海外事例の追加も予定してます。

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安田
村尾さんは「2009年は時代の転換点」と仰ってましたが、
どういった所から、そう感じられたんでしょうか?
村尾
どちらかというと、経営者の方というより、一般の社会人の
方たちと接していて思ったんですけどね。
働き方と生き方が、全く別になっている人は、
これからは精神的に苦しくなっていく
と思います。
「生産性を高める」とか、「ワークライフバランス」とか「時短」
とかってテーマとしては流行っていますけど、もっと本質的
な部分、つまり「働きがい」「やりがい」をしっかり考える時期
に、日本はきています。
もちろん労務的な問題はクリアする事が大前提ですが。
定時以降はさっさと帰るだけとか、土日は会社の事は関係
ないという人より、週末でも色々な物を見て、 これってうちの
会社にないから買っていって、プロジェクトに生かせないか
とか、良い意味で「仕事にのめりこんでいる人」が、これ
からは輝く時代だと思いますね。
安田
いい意味での、公私混同ですかね。

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村尾
「仕事は遊びの延長であり、遊びも仕事の延長であり」
みたいな。そこをうまくミックスできている人が、社会人
として伸びていると実感として思うんですね。
仕事は仕事、プライベートはプライベートと、区切っている
人達よりも、良い意味で公私混同している人の方が、
「伸びしろ」があるな、
と特に、僕と同世代の社会人に
関しては思います。
安田
成長の可能性を、より感じますよね。
村尾
例えば、サッカーの例で恐縮なんですが、世界では、高校とか
アンダー20くらいのレベルだったら、日本ってなかなか強いん
ですよ。 でも、大人になってA代表になっちゃうと、世界30位
から40位とかです。 これは、日本人選手に、プロになって
からの伸びしろがない
ということかもしれません。
一方、海外のサッカー選手って、プロになってからの伸びが
日本人に比べて、すごくあるんです。
21歳くらいから28歳くらいですごい成長するんですよ。
クリスチャーノ・ロナウドとか、 今その過程にいます。
サッカー選手も、普通の社会人も同じで、「伸びしろ」を尺度に
すると、面白いですね。
安田
そういう、後になってぐぐっと伸びる社員っていますしね。
スキルもそうですけど、スタンスが問われる時代ですね。
村尾
そうですね。
仕事とプライベートをいい意味でミックスできていて、
「仕事≒人生」と思って上手に取り組んでいる人しか今後は
企業の中で生き残っていけない。
もちろん、会社も生き残っていけない。そういう長い時代の
始まりが2009年じゃないかなと思うんですね。
「生活が悪いのは会社のせい」
「業績が悪いのは国のせい」と、
なんでも責任を自分以外に転嫁しがちな時代ですが、そこを
「すべては自分の責任」
「この仕事を通じて、自分は人間として成長できる」
「仕事が面白くなければ、人生そのものが面白くないのと同じ」

と発想できる人じゃないと、この先、ずっと不安を抱えながらの
生活をすることになってしまいます。
「ファンがいる会社」「ファンがいる人」って、僕が知る限り、
いろんなことを「人のせい」にしたりしていません(笑)。

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