ワイキューブ|特集企画・レポート|【八王子対談】 和田博 × 安田佳生

【八王子対談】 和田博 × 安田佳生



 ↓今回、こちらの(A)のオフィスにお邪魔しました。


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経営者として活躍するだけでなく、ゴルファーとしても有名な株式会社ヴァリアントの和田博社長。今回は、ワイキューブ代表の安田と、ゴルフと経営の共通点や仕事の本質について2人で語り合います。これまで数々の賞を勝ち取り、ゴルフの世界で高いパフォーマンスを発揮し続ける和田さんならではの、ユニークな身体論をお楽しみ下さい。

 

  
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安田
今日はよろしくお願いします。
和田
ようこそ。
安田
はるばる八王子まで、来てしまいました。
和田
今日はね、ワイキューブさんに入社案内の撮影をしてもらっていて。
安田
あ、そうなんですか!なんだか、立て続けにすみませんね。
和田
いえいえ。私も楽しみにしていましたから。
安田
以前から和田さんには、とても興味を持っていまして。経営者であると同時に、ゴルファーとしても非常に有名じゃないですか。今日はゴルフと経営との共通点について、一緒に話をしたいと思ってるんですが。
和田
はい。よろしくお願いします。そういえば、安田さんって何がきっかけでゴルフを始められたんでしたっけ?
安田
うちの副社長の中川が「ゴルフができないと仕事ができなさそうに見えるから、頼むから上手くなってくれ」ってうるさいんですよ 。
和田
ははは(笑)
安田
実は最初、ゴルフなんて簡単だと思ってて…結構難しいですね。
和田
(笑)
安田
ゴルフは野球とかと違ってボールが止まっているんだから簡単だろうと。余裕で当たるだろうと思ってたんですけど…。
和田
当たらないでしょ?
安田
当たらないですねー。何ででしょうね。玉が小さいから?
和田
だって、野球は直線で飛んできた玉を、90度のいずれかの方向に打ち返せばいいでしょ?ゴルフは、ボールこそ止まっているけど、カップまでほぼ直線で打っていかないといけない。だからどっちもどっちなんじゃないかな。

 

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安田
和田さんはゴルフが上手い人は仕事もできるって思います?
和田
ゴルフが上手い人って結構、精力的に仕事してる人が多いですよね。すごい時間を取られるのにね。ゴルフって。
安田
そうですね。一日がかりですからね。
和田
自分で時間を作り出さないと、ゴルフなんてやってられないんですよ。でも、だから逆に、仕事しない時間を作れているから、仕事ができるのかもしれない。
安田
なるほど。あと、ゴルフって人間性が出ますよね。点数ごまかす人とかいません?
和田
いますね。いつだっけな、茂みにボールが入ってしまって。一緒に周っていた人と探しに行ったんですけどね。ふっと後ろを振り向いたらその人がボールを蹴っ飛ばしてた。
安田
(笑)
和田
いや、本当にいるんですよ。試合でもね。
安田
試合でもいるんですか?
和田
いますよ。スコアを改ざんして出場停止になる人とかいますから。厳しいですよ、そこは。
安田
僕なんかは自分に害がなければ、まあええかと思ってしまうんですが。副社長の中川は点数ごまかす人間を心から憎んでますからね。
和田
そんなに?(笑)
安田
朝、遅刻してくるのと点数ごまかすのだけは許せないそうです。
和田
結局、上手い下手より、次にまた一緒にやりたいと思うかどうかが、すごく大事なのかもしれないね。

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安田
スポーツでもビジネスでも、センスがいいとか悪いとかって言いますけど、あれって何なんですかね?運動の場合は、やっぱり運動神経だと思うんですけど。
和田
うん。よく僕のキャディの人と話すんだけどね。結局、何でもそうなんだけど、上達するには頭と身体が同調するしかないって言うんですよ。トレーニングしてない身体は、頭で思い描いた通りに動かないんですよ。大抵は。
安田
「頭」っていうのは「脳」のことですか?
和田
いやいや。えーとね、何て言ったらいいかな。
安田
「脳」も身体だってことですよね。
和田
そうです。そうです。僕が言う「アタマ」っていうのは思い描いたイメージそのもののことね。そのイメージと、身体の動きが違うってことなんですよ。
安田
イメージ通りに、身体が動かない。
和田
うん。そう。
安田
イメージの仕方が間違ってるんじゃないですか?
和田
いや、それは逆ですね。意外に思われるかもしれませんが、イメージの方が常に正しいんですよ。そのイメージに身体がついてこ れてないだけで。
安田
そういえば、うちの社員で元サッカー選手だった人間がいるんですけど。ルーマニアでプロをやっていたんですけどね。同じような事を言っていた気がします。
和田
へー、すごい。
安田
「運動神経が良い」ってことはどういうことなんだと。彼が言うには頭でイメージした通りに身体が動いてくれるかどうか。これが運動神経だと。イメージ通りに動くなら運動神経が良い。イメージしている通りに動いていると頭では思っていながらも、ビデオで録って見てみると、身体は全然そう動いてない。こういうのは運動神経が悪い。
和田
うん。彼の言うとおりでしょうね。
安田
じゃあ、運動神経を良くするには、何をしたらいいんですかね?
和田
複数の要素があると思いますけど、一番重要なのは「柔軟性」だと思いますね。普通に生きてると、イメージ通りに身体ってまず動かない から。例えば…そうだな。両腕を背中に回して、手を握ってみてって言っても、身体が固い人はできないですよね。

 

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安田
できないもんは、できないんだと。
和田
そう。仕事だって同じでしょ?よくあるじゃないですか。やりますって言ったけどやってない。怒鳴られて「はい!今すぐやります!」って威勢良く返事をしても、やっぱりその仕事ができない。こういう事はよくある。あれって、身体がついてきてないわけだから。
安田
そうですね。
和田
で、もっと細かい話をすると、僕がゴルフを人に教える時とかに「じゃあ、まっすぐ立ってみて」って言うんですけどね。人間って真っ直ぐ立てないんですよ。
安田
歪んでるとか?
和田
大抵の場合、左右どちらかに曲がってますね。本人は「え?私、曲がってないですよ」って言うんだけれども。「じゃ、鏡を見てごらんなさい」って。そうするとやっぱり曲がってる。
安田
自分じゃ気が付かないってことですか?
和田
そうそう。あと「肩幅程度に足を開いて立ってみて」って言っても、毎日、その幅が違ってるんですよ。
安田
本当ですか?
和田
無意識に筋肉の状態が変わってしまってるんですよね。場合によると、肩幅もちょっとだけ変わってたりして。例えば人間は緊張すると、 頭や肩が勝手に下がる。野球だって、不調だとバットが下がるって言うじゃないですか。あれは言われないと気が付かないけど、筋肉が収縮するからでしょうね。だって、オードリーの春日みたいに胸を張って「緊張してます」って言う人はいないでしょ。
安田
たしかに(笑)じゃあ、お昼を食べると、午後になって打とうと構えた時に「あれ?何か違うぞ」って思ったりしますけど。あれもそうですか。
和田
そうです。ボールまでの距離、一個分とか余裕で違いますからね。
安田
歪みを調整する場合、和田さんはどっちに合わせるんですか?何かおかしいと思ってもいつも通りにやるか。それとも直すのか。
和田
直しますね。
安田
あ、直すんですか。
和田
人間の身体は常に変わってますから。それこそ安田さんが仰っていたようにお昼ご飯を食べただけでも変わる。しばらく座ってただけで姿勢は変わります。変わるのは常に人間の方で、道具の方は変わらないんですよ。だから、道具の方に合せた方がいい。
安田
道具を変えちゃダメなんですか?
和田
道具じゃなくて、道具に合わせて自分を変えたほうがいいですよ。そうでないと、わけがわからなくなっちゃうから。
安田
なるほど。
和田
野球ではイチロー選手がわかりやすいんですけど。彼っていつもまったく同じ動きをするでしょ?一から十まで自分のルーチンが全部一緒 。崩さない。バットを振る時だけじゃなくて、バットを構える前も、後も、いつも同じ動きをするでしょ。
安田
あれって、何でなんですかね。儀式的なもの?
和田
そういう意味もあるでしょうね。でもそれ以上に、一定のリズムというか、ニュートラルな状態を身体に刷り込むためだと思いますよ。常にそのルーチンを崩さないことで、スーッと身体をそのイメージしている状態に持っていける。それでも、調子が悪いとバットが下がる。ゴルフだと、疲れてくるとス タンスが広くなって猫背になる。ボールまでの距離が遠くなって思うように飛ばなくなる。
安田
そういえば、石川遼くんのスタンスが肩幅より広いって言われてたじゃないですか。最近は狭くなってきたそうなんで、調整してるんですかね?

 

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↑ 後ろにあるのは、和田社長の弟さんと石川遼くんとの写真だそうな。

 

和田
若干ね。ほんのちょっとですよ。でも、石川遼くんは本当に柔軟性がすごくて。彼だからあのスタンスで打てるんですよ。本当にすごいですよ。あの柔軟性は。
安田
じゃあ、普通の人がマネしちゃダメだと。
和田
そうですね。タイガーウッズのマネするアマチュアも可笑しいでしょ。ゴルフ雑誌とか見てタイガーウッズという「人」に憧れるのはいいけど、タイガーウッズの「スイング」に憧れちゃダメ。筋力も、身長も、全部違うんですからね。
安田
ありますね、そういうの(笑)
和田
スイングだけ真似しようとしても身体が動いてくれませんよ。そうじゃなくて、自分のイメージの方が常に正しいわけだから。それを実現できる柔軟な身体づくりの方が大事。そのためにまずは、自分の歪みに気が付くのが最初のステップですね。
安田
気づきで歪みは直せるんですか?
和田
直せますよ。ものすごく高いレベルは別として、大抵の場合は「気づき」があるかないかですよ。ただし、それが「定着」するかどうかは別ですけどね。そこは練習でひたすら身体に覚え込ませていくしかないんで。

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安田
その「練習」についてなんですけど、僕は経営には決まった練習メニューは存在しないと思っていまして。でもスポーツの世界には一応 、そういうものがあると思っていたんです。でも、和田さんの話とか聞いてると、スポーツの世界にも統一された練習メニューってないらしいと。だったら、ビジネスと同じじゃないかと思うんですよね。
和田
確かに正解はないですね。次々に色々なやり方が出てくるし。人それぞれですよ。
安田
ビジネスの世界では、そういう単一の答えがない中で、日々状況が変化しますよね。景気の流れ、国の意向、お客様の志向。あるいは自分 の能力や経験も常に変わる。でもその中で、何とか仕事の「再現性」を高めて行きたいじゃないですか。一回上手に出来たことは、また上手にやりたい。今度はもっと上手にやりたい。それってきっと、スポーツも同じですよね。
和田
そうですね。日頃の練習はそのためですから。
安田
僕も一応、何冊か本を出させてもらってるんですが、著者として一発屋で終わらずここまでこれたのは、再現性を高めるために色々と考えてきたからだと自分では思っていまして。
和田
再現性…うん、そうですね。スポーツの世界でも、自分のアベレージを維持していて、そこにポンって持っていける人、つまり再現できる人っていうのは、すっごいクオリティ高いですよ、やっぱり。
安田
例えばさっきのイチローの話ですが、今年に入ってから、試合が終わると必ずサウナに入るんですって。で、それを見た若手選手がマネするらしいんですよね。
和田
そうなんだ(笑)
安田
でも、イチローとは身体の作りも違うんだから、そのままマネするんじゃなくて、なぜそれをするのかっていうことを考えないといけないって。何だっけな?何かに書いてあったんですが。
和田
イチローがサウナに入ってるから、とりあえずサウナに入ってみる。それってすごく良い事だと思いますけどね。僕は。
安田
全然、何も考えずにマネしたとしても?
和田
最初はね。それでもいいと思います。身体が動き始めるから。
安田
でも僕は、最初に考えてしまうけどなー。
和田
なぜサウナに入るのか?っていう理由に、答えがなくてもいいんですよ。ただ、やり始めた人の中に「あ、こういう事だったのかもしれない」って自分なりに気が付く人が出てくる。もちろん、気が付かない人もいますけどね。
安田
まず、やってみると。
和田
そう。そうすれば、身体が勝手に考え始めますからね。
安田
僕はゴルフはまだド素人でして。昔はテニスをやってたんですが。人に教えてもらうって事に抵抗があったんですよ。
和田
うん、うん。
安田
で、笑われると思うんですけど。あくまでスーパースター思考というか。「普通のやり方を教わっても普通にしかなれへんやないか」と当時は思ってて。こう、漫画みたいなショットが打ちたかったんですよ。そしたら全然上手くならなくて…。
和田
(笑)
安田
その反省もあってゴルフは素直に教わってるんですけど。和田さんの教え方って個性的というか、他の人と明らかに違う。自分の中のスタンダードを引き出してくれるというか。

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和田
僕自身が、型をはめられても上手くできないタイプだから、そういう教え方になるんだと思いますよ。僕も最初はマネから入ってますけど、ゴルフの師匠がいて。彼の動きをずっと見てきました。今でも見てます。その中で、取り入れられるものだけ取り入れてきただけです。だから結局、僕が教えていることって身体を動かすにはどうするかってことで。
安田
すべてのポイントで正解があって、正しい動きをしたら、その通りに打てるようになるって、なぜか皆が思っているじゃないですか。
和田
そう。それって間違いですよね。だって、考えてもみて下さいよ。たかだか1秒半でやる動作をいちいち確認しながらやるなんてナンセンスですよ。テニスだってそうだったでしょ?グリップはこう、バックスイングはこう、フィニッシュはこうって言われてその通りにいちいち動けるわけがない。
安田
動けていると思っても、動けてないってことですよね。
和田
それはあくまで、頭の中にあるイメージなんですよ。身体がどう動いているかなんて、確認してる暇なんて無いですから。ゴルフってすごくメンタルなスポーツで、動こう動こうとすればするほど、逆に動けなくなるスポーツなんですよ。
安田
なぜ、そうなるんですかね?
和田
玉を、自分の真横に向かって打つわけですから。玉に当てることと、イメージした方向に玉を飛ばすことは別のことなんです。たった一秒間の間に「これをこうしなければ」と思った、その瞬間に上手くいかなくなる。人に教えるにあたっては、その思考を外してあげるっていう事がすごく大事なんですよね。
安田
なるほど。そう考えると、仕事と似ているかもしれないですね。うちも広告などのクリエイティブの仕事が多いですけど、上手い広告を作ろうとすればするほど、そこに囚われてしまって目的とズレたものが出来上がったりするんで。
和田
うん。同じですよ。だから、最初はマネでもいいから始めてみて、最小限これだけは絶対に守るべきだと思うポイントだけ押さえる。そしたらあとは自由にやって、身体で考えてみる。あれこれ正解を探すより、その方が上達が速いですよ。ただ、その次に必ず成長のカベが来るんですけどね。

(ますます盛り上がる八王子対談 後編に続きます!!)